こんな夢を見た。

　高校一年生の少女、東條エミは工場で延々と団子を作る奇妙な夢を見るようになった。
　当初は気にも留めなかったエミだったが、同じような夢を見た男子生徒が自殺未遂を起こしたことを聞く。エミの友人である小林ユイの勧めで、エミは同じ学校に通う木刀を持った少女、音霧キリコに話を持ちかけることになる。
　一方、夢の中では舞台が工場から移り変わり、商店街、社員寮、そして森へと移っていく。夢の中でエミが友人となった土方が森の悪霊に攫われたという話を聞いたエミは、夢の中で単身、森の中へと入っていく……。

　いかにして彼女は木刀を手に入れたか？

　高校受験も終わった冬の末、音霧キリコの祖母が急病で病院へ搬送された。家族が病院へ付き添いに行く中、キリコは一人、家で留守番をすることになる。しかし記録的な豪雪の発生により、病院へ向かった家族は帰宅困難に陥りキリコは一日中一人で留守番をすることになってしまう。
　楽観的に構えてきたキリコだったが、次第に身の回りで奇妙な出来事が起こっていく。
　音霧家に伝わる因縁が明かされたとき、災厄がキリコの見に降りかかる。

　この闇は深い――。

　高校二年生の持田ナナは友人の音霧キリコと小林ユイと共に夏休みに海水浴へ出かける。海水浴を楽しむナナに一人の少女が警告する。

「今日はね、もう海に入らない方がいいよ」

　直後に海水浴場で発生する海難事故。幸い、死者が出なかったものの、病院に運ばれた被害者は奇妙な症状に見舞われた。
　海水浴場に現れた少女を追うナナ。
　一方で、海水浴場にまつわる伝説を追うキリコとユイ。
　海が孕む闇の中には何があるのか。

　メンバー3人の作品を集めた、短編集です。
　ローファンタジーをテーマに、それぞれの形で作品を仕上げました。
　主に小説ですが、四コマ漫画も掲載しています。

　単眼娘がやってきた　・・・　きくらげ（小説）
　あびをち！　・・・　てみ粉（四コマ漫画）
　幻炎　・・・　Paper driver（小説）